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Maglia Nera(マリア・ネーラ)

 昨年、幕張メッセで開催された「サイクルモード2010」のピナレロブースにジロゆかりの写真が背景に飾られていた。黒にGIRO D'ITALIAの文字が入った幻の「マリア・ネーラ」というジャージ。
 昔、ジロのレースで最終順位完走者(選手)に贈られたのがこのジャージであり、6年間だけ授与されただけの珍しい、幻の賞だ。
・ 1946 Luigi Malabrocca
・ 1947 Luigi Malabrocca
・ 1948 Aldo Bini
・ 1949 Sante Carollo
・ 1950 Mario Gestri
・ 1951 Giovanni Pinarello
6大会で5人しか授与されていない。

 実は「マリア・ネーラ」とピナレロは、切っても切れない関係にある。
 ピナレロの創設者ジョヴァンニ・ピナレロは夢が叶って、プロ選手となり1951年ジロに出場し、この黒いジャージを授与された。引退・転身してもなお自転車界に身を置き大きな成功を収めた彼にとって、「マリア・ネーラ」は"誇り"であるに違いない。

 やがて2008年に最下位選手のしるしは黒ジャージから黒ゼッケンに変わり、これを手中に収めたのは、ミルラムのオイヒラーだった。

 ツール・ド・フランスにも「ランタン・ルージュ」というゼッケンがある。
 貨物列車の最後尾に付ける赤いランタン、テールランプに由来する総合最下位の選手に与えられるゼッケンである。
 マイヨ・ジョーヌの逆、与えたれた選手にとっては不名誉だろうか、いやそうではあるまい。現在、ツールやジロでこうしたゼッケンがあることは、とても素敵な事である。
 ティーム単位で争われている昨今のレースだが、極端にいえば、完走しなくともティームに貢献していれば良しとするように映る。しかし最後尾であっても個人的には、完走した事自体が凄いことではないだろうか。

 ジョバンニ・ピナレロの「マリア・ネーラ」には、逸話がある。
 往年の名レーサー、ジーノ・バルタリ(Gino Bartali)がピナレロに来店した際に「君のジロはマリアネーラだったが、君の人生はマリアローザだよ」と言った話は自転車界では知れ渡っている。
 ピナレロのブース「マリア・ネーラ」の写真が掲載されていたことは感動的であった。凡人は、単に「選手にとってはかなり屈辱的」なんて言ってのけるが、そんなひとは、グランツールを分かっていない! 出場しただけでも凄いことだ。屈辱ではなく、励しと映るのだが、私には・・・。


バルタリにボトルを手渡すコッピの写真にサインされているとか・・


 ピナレロの工房のファウスト・コッピとジーノ・バルタリボトルを受け渡す写真、今も飾られているそうだ。ジョバンニ・ピナレロが誇りに思っている「マリア・ネーラ」、私達ホビーサイクリストは、心して、ピナレロを通して・・・完走にも意義あると哲学したい。
 最下位・・・それでも完走する。 個人として世界最高峰のレースに出られたこと、スタートラインに付き、ゴールラインに到達する誇り。アシストに力を使いきっても・・・完走、良いではないか!!
 巷では、黒のイメージを色として良くないと言ってるひともいるが、黒色は、最も厳粛で、正式な色であり、服飾界では、最も気品のある色だ。礼服を着こなせたら最良の洒落者である。ジャージにしても同様と思える。
 最近、黒色と白色ベースの長袖ジャージを作りたく思うのだがなかなかデザインが決まらない。礼服的に誇らしく着こなせるか?それこそ倶楽部ジャージとして。
 更には、色々なイベント表彰で・・・こんな最下位賞とかもあって良いと思いませんか?
勝ち負けだけを争うのではなく、可笑しく楽しいレースがあってもいいのではなかろうか!!

mo-going