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1.Wir sind Helden!!
2.1987年
3.パリーブレスト
 自転車と
 フランス菓子
4.最下位という誇り
5.バイクと女性と
 コスチューム
 
6.アニーロンドンデ
 リーと嗜輪会
7.All Rounder!!

 秋も深まりいよいよサイクリングに良い季節になってきた。これから紅葉・黄葉の季節にかけて大いに楽しみたい。コラムの3回目、今少し西欧の事に触れてみよう。

ロードレースの「異名」って楽しい。

 ミラノ-サンレモは「プリマヴェーラの春」、 パリ-ルーベが「北の地獄」、ジロ・デ・ロンバルディア「落ち葉のクラシック」、いずれのレースもクラシックと呼ばれるワンディーレースで、長い歴史と伝統を持って知られ、格式の高さ・誇りを持って開催されている。

歴史・伝統共にステージレースとして有名なのはグランツール(三大ツール)と呼ばれる
プロロードレースの最高峰が「ジロ・デ・イタリア」「ツール・ド・フランス」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」というのは、周知の通り。
この中で日本人にとって知名度が高いのは、やはり「ツール・ド・フランス」だろうか。
今回は、この「ツール・ド・フランス」に纏わる歴史に触れてみよう。

「ツール・ド・フランス」は、スポーツ新聞ロト(L'Auto・今のレキップ紙)がライバル紙に対抗して企画されたのが始まりである。自転車レースを企画していた他社は、ル・プティ・ジュルナルがパリ-ブレスト往復、ヴェロ紙がボルドー-パリを主催していた。
この中で最も古いのがパリ-ブレスト-パリ(Paris-Brest-Paris,PBP)で、1891年に第一回大会が開催された。

ルコントさん。

 仔細は別にして、こうした事を教えて頂いたのは40年ほど前、学生時代に当時、六本木に「ルコント」というケーキ屋さんがあって、オーナーのAndrLecomteさんからであった。
 ルコントさんは、東京オリンピックの仏蘭西菓子シェフとして来日、以来終生日本の仏蘭西菓子発展に寄与した方である。
 彼のエスプリに富んだ会話が懐かしい。2階のサロン・ド・テにロードレーサーで訪れるものなどいなかったからかもしれないが、頂くケーキに色々と解説をしてくださった。それがこのケーキだ。

 この「パリ・ブレスト」と名付けられたケーキは、ツール・ド・フランスゆかりのお菓子と聞いている。1891年にパリとブルターニュ地方の町ブレストとの間、約1200kmを90時間以内に往復するというレース、すなわち「パリ・ブレスト・パリ」(PBP)の開催を記念して作られたと言う。伝統菓子の名称の由来として諸説あるが、これが1つの有力な説である。パリのロングイユ通り(コース沿道)にあった「メゾン・ラフィット」という菓子店の職人、ルイ・デュラン氏が考案したと伝えられている。
 
 リング状に絞ったシュー生地にクレーム・プラリネを挟んだ姿は、自転車の車輪をイメージしている。上には、アーモンドスライスがたっぷり振りかけられている。
 上にアーモンドが無く、中にクレーム・シブーストを使ったものは、パリ・ニースと呼ばれている。中に挟むクリームにも、イタリアンメレンゲを加えた軽いバタークリームを使ったり、カスタードを加えたり、シャンティを加えて軽やかにしたり。お店によって、シェフによって、少しずつアレンジされて、楽しい。
 ルコントのパリ・ブレストは、クレームパティシエールにバター、プラリネ、シャンティー、イタリアンメレンゲも加えた、スペシャル・クリームだった。「クレーム・パリブレスト」としか言い様がないかも・・とルコントさんは説明してくれていた。
 
 手間がかかるためか、お菓子屋さんで余り見かけない。昨年、クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ(フランスの伝統菓子の継承や普及のための団体)が、ツール・ド・フランスに合わせて7月にプロモーションして、クラブ会員各店に「パリ・ブレスト」を登場させている。それらもまた、プティガトーサイズだったり、夏場に合わせて、シャンティー・オ・プラリネの軽いクリームだったりと、シェフも時代の嗜好に合わせて、伝統をベースにしながら、試行錯誤されていたようだ(友人情報)。
・・・ケーキ好き・ツールファンには、溜まらない! 是非に、賞味してくだされ。

パリ・ブレスト・パリ (Paris-Brest-Paris, PBP) は、世界最古の自転車イベントである。ロードレーサーのレースとは異なり、長距離用の荷物も搭載できるランドナーが使われるレースで参加資格は厳しい。

mo-going